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2026/08/05 17:15
店主と話をしていると、ふらりと訪れたお客さまは、遠方から古道具を巡る旅の途中。
旅の経緯をお聞きしたり、私の作品の話を聞いてくださったりして、旅のご縁にと、私の封筒を手に取ってくださった。
ここでの私の紙作品は、並べられたサンプルから選び、バックヤードに保管されている箱の中から、実際に購入する作品を選んでもらうかたちをとっている。
これは素材の劣化を少しでも防ぐ目的が主であるけれど、実際にその手法をとってみると、大切そうに箱から取り出された封筒たちの中から選ぶという、特別な体験が含まれている紙作品となった。
バックヤードから封筒が幾枚か登場し、店主と少し話をしながら一枚の封筒を選ぶ。
後ろからその光景を目撃して、私はなんて贅沢なことをさせてもらっているのだろうと思った。
ものごとの運びや移り変わりが早すぎる時代に、時間をかけて一枚の封筒を選べる場所がここにある。その封筒を作るのは私なのだ。
こんなに贅沢な時間に向き合ってくれる時余利さんやお客さんが居ることは、当たり前ではない幸せだ。
この日のお客さまは、軽い気持ちで出発できるような旅ではなかったようだが、思い切って動き出したことに後悔は見えなかった。迎えた封筒を目にする時、自身を肯定できる存在になっていたらいいなと想う。
時余利という場所には、心地よい出会いを引き寄せる空気が流れている。
物と人、人と人が穏やかに繋がって、偶然の出会いも奇跡的な出会いもゆったりとしている。
それは私にとって心地よく、たしかな光とアイデアをくれる。
人生の刺激って、何も劇的な瞬間ばかりではない。


